地方から、日本を元気にできる場所をつくりたかった
なぜ、僕は独立したのか。
その原点をたどると、答えはとてもシンプルです。
地方から、日本を元気にできる場所をつくりたかったからです。
ワタミは今、世界へ広がろうとしています。
その一方で、僕はワタミの考え方や店舗を、もっと地方社会へ広げたいと思いました。
東京や大都市だけではなく、地方の町にも、ワタミらしい店がある。
その店を中心に、若者が育つ。
地域の人が集まる。
働く仲間が、将来に希望を持てる。
そんな会社をつくりたいと思ったことが、独立の原点です。
ワタミを離れたかったのではない
独立というと、元の会社から離れたいとか、自分の好きなようにやりたいという話に聞こえるかもしれません。
でも、僕の場合は少し違います。
ワタミらしさを、もっと地方に根づかせたかった。
ワタミの経営理念や、人を大切にする考え方を、地域商圏の中で実践したかった。
一つのコミュニティや地域と深く共生していくには、本部の一店舗として働くよりも、オーナーとして長く責任を持つ方が合っている。
そう考えました。
だから独立は、ワタミから離れるためではありません。
ワタミらしい会社を、地方につくるための選択でした。
地方に住む若者が、夢をあきらめなくていい場所をつくる
日本では、多くの人が地方で暮らしています。
しかし、将来を真剣に考えたり、ビジネスを学びたいと思ったりすると、どうしても都市部へ行くという選択肢が強くなります。
地方が好きでも、学ぶ場所がない。
成長できる会社がない。
やりたい仕事が見つからない。
だから、地元を離れる。
この流れを、少しでも変えたいと思っています。
地方に住みながら、経営を学べる。
マーケティングを学べる。
数字を理解できる。
人を育てる経験ができる。
自分の力で店や会社を良くしていける。
セプテンマリアを、そんな若者のためのプラットフォームにしていきたい。
ただアルバイトをする場所ではなく、将来を考えるきっかけになる場所。
地方から夢を実現する力を身につけられる場所。
それが、僕のつくりたい会社です。
どんなオーナーになりたいのか
目先の目標として、僕は多田オーナーのような存在になりたいと思っています。
単に多店舗を展開しているからではありません。
ワタミ本部に対して、業態開発や営業改善について提案できる。
一方的に指示を受けるだけではなく、一緒に未来をつくるパートナーになれる。
そんな会社、そんなオーナーを目指しています。
将来的には、ワタミから講演や相談を依頼されるような存在になりたい。
地方の一店舗から始まった会社が、ワタミ全体に良い影響を与える。
簡単なことではありません。
でも、それくらいの目標がなければ、独立した意味はないと思っています。
「この人から学びたい」と思われる人になる
仲間から、どのように見られたいか。
そう問われたら、僕は、
成功している人、この人から学びたいと思える人
でありたいと答えます。
そのために、今も新しい情報を学び、実践しています。
本を読む。
研修を受ける。
マーケティングを試す。
数字を分析する。
うまくいかなければ、改善する。
学んだだけでは意味がありません。
店舗で実行し、結果を出し、初めて人に教えられます。
将来は、地方の経営者や社員が一緒に経営を学べる勉強会もつくりたい。
ただし、その前にやるべきことがあります。
まず、自分の店を良くすること。
今いる社員やメンバーを育てること。
自店舗のミーティングや教育を通して、学びが成果に変わる会社をつくることです。
2028年に2店舗、2030年に3店舗
会社の未来についても、数字で示しておきたいと思います。
2028年までに、少なくとも2店舗。
2030年までに、3店舗。
まずは、ここを目指します。
そのために必要なのは、社員です。
店舗を任せられる社員。
数字を理解できる社員。
理念とQSCを現場で実行できる社員。
人を育てられる社員。
今いるメンバーの中から、社員にならないかと声をかけていく。
同時に、上越だけでなく、新潟県や甲信越まで採用エリアを広げて考える。
出店の課題は、物件よりも人材です。
店を増やしたくても、任せられる人がいなければ増やせません。
だからこそ、人材採用と教育が、会社の未来を決める最重要課題です。
その日暮らしの飲食業はしない
僕たちは、今日売れればそれでいいという飲食業はしません。
地域のため。
社員のため。
会社の未来のため。
長く続く会社をつくります。
そのために、戦略を持って経営します。
軸となるのは、二つです。
一つは、DRM、ダイレクト・レスポンス・マーケティング。
もう一つは、ランチェスター戦略です。
誰に売るのか。
どこに集中するのか。
どの地域で一番になるのか。
既存のお客さまに、どのように再来店してもらうのか。
感覚だけではなく、数字と戦略で考えます。
社員やトップメンバーにも、この二つは学んでもらいます。
なぜなら、現場の技術だけでは、多店舗展開はできないからです。
ただし、戦略は実行には勝てない
どんなに優れた戦略があっても、実行されなければ意味はありません。
広告がうまくいっても、店が悪ければ、お客さまは二度と来ません。
チラシで来店してもらっても、ファーストドリンクが遅い。
料理が冷めている。
スタッフが暗い。
トイレが汚い。
おすすめもしない。
お見送りもしない。
これでは、販促費を使ってお客さまを失望させているだけです。
だから、マーケティングの前提は、いい店であること。
いい店。
いい人。
いい環境。
この三つは絶対条件です。
戦略を学ぶことは大切です。
でも最後は、目の前のお客さまに喜んでもらう行動を、毎日やり切れるかどうかです。
同じ教科書を、毎月繰り返す理由
人は、一度聞いただけでは変わりません。
だから、私たちは毎月、同じ理念と教科書に戻ります。
ワタミハンドブック。
『仕事の原点』。
理念集。
これらをもとに、毎月教育を行います。
ワタミらしい人材を育てたい。
そして、地方のビジネスシーンでも目を輝かせて働ける人を育てたい。
それが教育方針です。
社員には、課題本や理念集、DRMについてのレポートを書いてもらいます。
ミーティングでは、数字の改善と行動力を高める。
毎週月曜日には、理論を学ぶ勉強会を行う。
一方で、カウンセリングも定期的に実施します。
厳しく学ぶだけでは、人は続きません。
数字だけを追わせても、人は育ちません。
仕事の悩みや将来も含めて、一人ひとりと向き合う必要があります。
学び、実行し、振り返り、また前に進む。
この循環を会社の文化にしたいと思っています。
売上を上げるための基本は、当たり前の繰り返し
売上を上げる考え方は、実は複雑ではありません。
新規のお客さまを増やす。
既存のお客さまの来店頻度を上げる。
休眠客を増やさない。
客単価を上げる。
大きく言えば、この四つです。
客単価を上げるなら、
宴会を獲得する。
法人需要を増やす。
おすすめを行う。
もう1杯を提案する。
当たり前のことを、繰り返すしかありません。
しかし、当たり前のことを毎日やり切れる店は少ない。
だから、そこに差が生まれます。
「新規顧客」を、感覚ではなく定義する
私たちは、新規顧客を単に初回来店した人とは考えません。
個人情報を取得できたお客さまを、新規顧客と定義します。
LINEアカウントが分かる。
住所と名前が分かる。
次回、こちらから連絡できる。
ここまでできて、初めて関係が始まります。
一度来てもらって終わりではない。
その後、何度も来てもらうために、関係を続ける。
そのためのリストです。
今後は新規顧客の獲得数を150%まで高めたい。
特に、影響力の高い重点3エリアへ、DMとポスティングを集中します。
広く薄くではありません。
狭い地域で認知度を高め、地域商圏の一番店を目指します。
予約のお客さまやクーポン利用のお客さまから、どのように自然に情報をいただくか。
そのトークスクリプトも改善していきます。
法人需要は、地域に根を張るための重要な仕事
大口の新規顧客を獲得するため、FAX DMも継続します。
地域の経営者コミュニティにも参加します。
狙いは、法人需要の拡大です。
宴会。
歓送迎会。
社内行事。
地域の集まり。
こうした需要を、安定して獲得したい。
FAX DMでは、高い投資対効果が出ることも分かってきました。
だから、感覚でやめるのではなく、継続しながら改善します。
店内営業だけではありません。
地域の企業や団体と関係を築くことも、地域密着の店をつくる重要な仕事です。
3500名のリストを、眠らせない
現在、私たちには約3500名の顧客リストがあります。
これは単なる名簿ではありません。
これまで来店してくださったお客さまとのご縁です。
既存顧客向けDMの反応率は、5〜8%から10%以上を目標にします。
施策によっては20%を超える反応も出ています。
だから、継続します。
半年以上利用のないお客さまを休眠客と定義し、まず休眠させない。
定期的に連絡し、忘れられないようにする。
休眠した方には、3ステップDMで再度アプローチする。
改善を重ねた結果、以前の約5倍の反応につながったものもあります。
LINEも同様です。
これまで月4回だった配信を、週の始めと金曜日に分ける。
忘れられない頻度で接触する。
ただし、ブロック率が高まるなら止める。
数字を見ながら、続けるか変えるかを判断します。
Q:ワタミの思いを、正しい商品で届ける
QSCのQ、商品。
ワタミの思いをお客さまへ届けるのは、私たちの仕事です。
そのために、まずマニュアルを覚える。
正しい作り方を知る。
テストをする。
ロールプレイングをする。
誰が作っても、一定以上の商品を提供できるようにする。
現在の課題は、DUでの商品チェックです。
抜け漏れがある。
熱々の商品が、熱々の状態で出ていない。
冷たい商品が、冷たい状態で出ていない。
最後のチェックが甘いことがあります。
料理は、作った時点で終わりではありません。
お客さまのテーブルへ、最高の状態で届いて初めて完成です。
だからDUのトレーニングとチェックを、最重要課題とします。
S:「愛想がいい」だけで終わらず、気が利く人になる
サービスで目指すのは、愛想のいい人だけではありません。
気の利く人になることです。
今の若い人に、
「やってほしいことを考えて動いて」
と伝えるだけでは、なかなか動けません。
だから、まずマイナスのサービスをなくす。
挨拶をしない。
返事をしない。
空いた皿を下げない。
お客さまを見ない。
スタッフ同士で話し続ける。
こうした行動をなくします。
その上で、プラスのサービスを反復します。
グラスが空く前に、もう1杯を聞く。
おすすめを伝える。
料理の感想を伺う。
困っている方に先に気づく。
気持ちよくお見送りする。
今は、自主的に下げ物ができても、ワンモアドリンクまで届かないことが多い。
だから、ロールプレイングで何度も練習する。
そして客単価が上がったか、数字で確認する。
自分の声かけで、お客さまが楽しみ、売上も上がる。
その実感が、仕事の面白さにつながります。
C:5Tと5Sは、生産性の原点
清掃は、ただ店をきれいにするためだけのものではありません。
生産性の原点です。
整理されていない。
備品の場所が決まっていない。
使ったものを戻さない。
汚れを放置する。
こうした店は、作業も遅くなります。
だから、トヨタ式の改善や環境整備を社員とトップメンバーへ教えます。
整理。
整頓。
清掃。
清潔。
躾。
そして、物を探さない、迷わない、止まらない環境をつくる。
社員の理解は深まってきました。
しかし、メンバー全体にはまだ届いていません。
だから、知っている人が実行するだけではなく、教えられるところまで高める必要があります。
居酒屋は、大人にとってのディズニーランドでありたい
僕たちが提供しているのは、料理やお酒だけではありません。
空間です。
僕は、居酒屋は大人にとってのディズニーランドでありたいと思っています。
「あの人がいるから行きたい」
「〇〇さんに会いに来た」
そう言ってもらえる店。
料理ではなく、人に会いに来てもらえる店。
これが理想です。
一方で、ディズニーランドは不便ささえも工夫に変えます。
お客さまが困っていることは、次のビジネスチャンスかもしれない。
待ち時間。
注文のしづらさ。
座席の不便さ。
宴会予約の面倒さ。
こうした不満の中に、改善や売上の種があります。
困っていることに気づき、先回りできる人を育てたいと思っています。
仲間想いを、勘違いしない
仲間に大切にしてほしい考え方があります。
お客さま想い。
会社に貢献できること。
仲間想い。
この順番です。
仲間想いを最初に置いてはいけません。
職場は仕事をする場所です。
仕事とは、
売上を上げること。
経費を下げること。
必要な時間を短くすること、または、お客さまに楽しんでいただく時間を長くすること。
この三つです。
スタッフを採用しているのは、身内で楽しく過ごすためではありません。
お客さまに楽しんでいただくためです。
その目的のために、仲間が助け合う。
会社に貢献するために協力する。
結果として、信頼関係ができ、仲間想いになる。
順番は逆ではありません。
お客さまの笑顔を見たいという目的を失ったら、すべての意味がなくなります。
会社に貢献することが、仲間を守る
私たちのコミュニティは、自然発生したものではありません。
会社がつくり、ワタミがつくった場所です。
だから、会社に貢献することは、仲間を守ることにつながります。
お客さまに喜んでもらう。
売上が上がる。
会社が成長する。
仲間が増える。
任せられる仕事が増える。
新しい店ができる。
そして、その中で一生付き合える友人や仲間が生まれる。
会社への貢献と仲間への思いやりは、別のものではありません。
会社を良くすることが、仲間の未来をつくります。
出店意欲は高い。課題は人材だけ
今後の出店意欲は高いです。
店を増やしたい。
地方にワタミを広げたい。
若者が成長できる場所を増やしたい。
ただし、最大の課題は人材です。
人件費は上がります。
働く人は辞めやすくなっています。
上越は、もともと人材採用が難しいエリアです。
だからこそ、人材の採用と育成が、売上と経費のほぼすべてを決めます。
優秀な人が増えれば、QSCが上がる。
生産性が上がる。
利益が残る。
教育が進む。
店を増やせる。
結局、会社の未来は人で決まります。
本部と一緒に、地方で強い会社をつくる
これから本部へ相談したいことも明確です。
人材育成。
オフライン研修への参加。
人材採用。
そして、壁紙などの修繕。
ワタミの力を借りながら、地域に根づいた強い会社をつくります。
私たちは、ワタミの看板を借りているだけの会社ではありません。
ワタミらしさを現場で実行し、地域へ広げる会社でありたい。
そのために、まずは今の一店舗を徹底的に良くする。
社員を育てる。
メンバーを育てる。
お客さまに選ばれる店をつくる。
その先に、2店舗目、3店舗目があります。
まず、この店から地方を元気にする
地方から日本を元気にする。
言葉だけなら、誰でも言えます。
だから、まずはミライザカ上越高田店を、地域で圧倒的に必要とされる店にします。
料理がいい。
サービスがいい。
清掃が行き届いている。
スタッフが明るい。
若い人が成長している。
常連のお客さまがスタッフの名前を呼んでくれる。
社員が、自分の未来を描ける。
そんな店をつくる。
そして、この一店舗で証明できたことを、地方へ広げていく。
それが、僕が独立した理由です。
まだ、完成にはほど遠い。
課題もたくさんあります。
でも、目指す場所は明確です。
地方にいても、夢を持って働ける。
地方にいても、経営を学べる。
地方にいても、世界につながる仕事ができる。
セプテンマリアを、そんな会社にしていきます。
一緒に、地方から日本を元気にする場所をつくっていきましょう。



