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「あなたに出会えてよかった。」

そんな言葉を、お客さまから言われたことはあるだろうか。

私はあります。

あの瞬間のことは、今でもはっきり覚えている。
売上でも、評価でもない。
ただ、その一言。

「あなたに出会えてよかった。」

その言葉をもらったとき、
心の底から思った。

この仕事をしていてよかった。

店舗で働いていて、
これ以上の報酬はないと思った。

だから、これを読んでいるあなたにも、
そんな言葉をもらえる仕事をしてほしい。

心から、そう思っている。


でも、会社としてはまだ足りない

正直に言う。

お客さまから言っていただけることはあっても、
社員やスタッフから

「この会社で働けてよかった」
「あなたと一緒に働きたい」

そう言われる会社には、まだなれていない。

だからこそ、そこを目指していく。

ここでずっと働きたいと思える会社にする。
このチームで働けて誇りに思える組織にする。

それが、今の私の経営テーマです。


時代は厳しい。だからこそ地域1番へ。

これからの日本は、決して明るい未来ばかりではない。

インフレが進み、生活コストは上がる。
外食は真っ先に削られる分野だ。

でも、どんな時代でも生き残る店がある。

それは、
地域で1番の店。

なんとなく良い店ではない。
「ここじゃなきゃダメだ」と言われる店。

結局、最後に選ばれるのはそこだけだ。

では、私たちは何で1番になるのか。

それを真剣に考えなければ、生き残れない。


大衆店の価値は、この式で決まる

私たちのような大衆向け飲食店の価値は、

(QSC+店の雰囲気)÷価格=価値

で決まる。

Q:料理
S:サービス
C:清潔さ

価格とのバランスの中で、選ばれるかどうかが決まる。

そして、このQSCは足し算ではない。
掛け算だ。

どれか一つが崩れれば、すべてが崩れる。


料理は「科学」だ

居酒屋は料理とドリンクでお金をいただく商売。

料理がまずい店はマイナス。
料理が感動レベルなら「2」になる。

再来店の理由は、ほぼ料理だ。

料理は3工程で決まる。

  1. 仕込み(50%)
  2. 作成(25%)
  3. 提供(25%)

半分は仕込みで決まる。

正しい解凍。
正しい保管。
正しい分量。

料理は科学だ。
守るべき工程を守れば、味は安定する。

だから新人にいきなりスタンバイを任せない。
味を守る責任があるからだ。

作成段階では、マニュアル通りかどうか。
塩加減、盛り付け、火入れ。

そして最後の提供。

熱いものは熱く。
冷たいものは冷たく。

作った瞬間が100点でも、
出す瞬間が70点なら、それは70点だ。

仕込み、作成、提供。
この3つを守りきって、
やっと…やっと「感動レベル」に到達できる。


サービスは“当たり前”の積み重ね

サービスは、実は厳しい。

雑談をしていたらマイナス。
だるそうにしていたらマイナス。
料理を雑に置いたらマイナス。

ゼロに戻すだけで大変。

きびきび動く。
聞かれたら即答できる。
商品知識を持つ。

ここまでやって、やっと「満足」。

そこからさらに、

元気な声出し。
的確なおすすめ。
気持ちのいいお見送り。

ここまでやって、やっと1.5(喜び)。

意外と、厳しい世界。
でもサービスはだからこそ、フレーバーともいえる。


清掃はマイナスを消す仕事

清掃に感動はない。

汚ければ即マイナス。
きれいでやっとゼロ。

お客さまは新しい店に行く。
なぜか?

きれいだからだ。

ぼさぼさの髪。
汚れた制服。
曇ったグラス。

それだけで、選ばれなくなる。

「こなれた店」は、ただの言い訳だ。
いつも新鮮、いつも新店。
そう言える店でありたい。


私たちは“プロのお客さま”と向き合っている

外食をしていると、
お客さまは自然に来ると錯覚する人がいる。

違うよね。

お客さまには無数の選択肢がある。
そして、実は…外食の経験は私たちより豊富だ。
私たちよりも、お客さまのほうが競合に詳しいだろう。

つまり私たちは、
外食をするプロと向き合っている。

目は肥えている。
空気を読む力もある。

「これくらいでいいか」は、すぐに見抜かれる。

だから甘えは通用しない。


地域1番は、簡単じゃない

ここまで読んで、

「大変だな」と思っただろう。

その通りだ。

大変に決まっている。

でも、
それくらいやらなければ

「あなたに出会えてよかった」

は生まれない。

なんとなく働いて、
なんとなく営業して、

そんな場所からは、
人生を動かす一言は生まれない。


これで本当にいいのか?

私たちが日々やっていることは、
本当にこれでいいのか?

基準を下げていないか?
「今日はいいか」と思っていないか?

問い続けよう。

地域で1番、
圧倒的にいい店をつくる。

そこで働く人が、
誇りを持てる場所にする。

そしていつか、

「この会社で働けてよかった。」
「あなたに出会えてよかった。」

そう言われる組織にする。

一緒に、本気でやろう。

その先にしか、
あの言葉は待っていない。