お客さまに選んでもらうには、魅力を伝えるだけでなく、その先の行動までわかりやすく案内することが大切です。予約にも、採用にも、スタッフ教育にも、「次に何をすればいいか」が見える道筋をつくりたいと思っています。

こんにちは、セプテンマリアの代表真部裕充です。

「案内は送りました」
「ホームページには書いてあります」
「前にも説明しました」

仕事をしていると、こう言いたくなる場面があります。

でも、そこで終わってしまっていいのか。

今月の『No B.S.マーケティング・レポート』を読んで、改めて考えました。

僕たちが伝えたことと、相手に伝わったこと。
そして、相手が実際に動けること。

この三つは大きな差があります。

申し込んだのに、次へ進めない

今回、特に気になったのは、説明会の案内を見直した事例です。

レポートによると、説明会を購入した人のうち、参加日程を選択した人の割合が、従来の50〜70%程度から83%になる。

これは、当日の来場率や、商品の成約率の話ではありません。
申し込んだ人が、その後の日程選択まで進んだ割合である。

案内の見直しは、購入後に必要な手続きを事前に知らせること、見逃した人にも改めて案内を届けること、手順をわかりやすく示すことである。

ここを読んで、僕は自分たちの仕事にも重ねてみる。

「興味がなくなった」と決めつける前に、確認できることがある。

案内を見つけられなかったのかもしれない。
何をすればいいかわからなかったのかもしれない。
あとでやろうと思って、忘れていたのかもしれない。

相手の気持ちだけを考えるのではなく、途中で止まってしまう理由を、自分たちの中にもあるのではないかと考えてみよう思う。

ご幹事様は、店選び以外にも忙しい

たとえば、僕らで言えば居酒屋の宴会、特に今は忘年会予約。

ご幹事様は、お店を選ぶだけでも大変。
予算を考え、参加者の予定を聞き、人数をまとめる。企画ができるのか…などなど…

僕たちにとっては毎日の仕事でも、その人にとっては、久しぶりのご幹事様かもしれません。なんなら初かもしれない。

だからこそ、予約を受け付けたあとに、不安なことはなくして、ご幹事様が最終的に笑顔になってくれる形を目指したい。

少なくとも…

日時と人数は合っているか。
コースの予算、ご来店するお連れ様はどんな方で、どんな料理がいいのか…人数が変わったら、いつまでに、どこへ連絡すればいいのか。

こういうことは忘年会ならなおさら重要だ。

こうした案内を、お客さまが考えて

「何かあれば連絡してください」という一言で、任せきりにしていないだろうか。

ご幹事様に、安心して当日を迎えてもらう。
そのためにできることは、料理や席の準備の前からあるし、ご幹事様の考える、さらに一歩先の感動につなげたい。

採用でも、「応募してください」の先を見せる

採用も同じだと気づきました。

働く場所を探している人が、求人を読んで興味を持ってくれた。
でも、そのまま応募してくれるとは限らない。

どんな人と話すのか?
何を準備すればいいのか?
まず質問をするだけでもいいのだろうか…?

そうした疑問が残っていれば、手が止まることもあるよね。

僕たちは、応募してもらいたい。
一緒に働く仲間を増やしたい。

だからこそ、気持ちを伝えるだけで終わらせず、他の仕事内容も伝えたほうがミスマッチはなくなるのかなと考えました。

無限にシフトをアルバイトを入れられるわけじゃないから、考えもそうだけど、求められる能力のミスマッチも予めなくしとかないと、ここで不一致があるのかな?と気付かされました。

相談を受け付けるなら、どこから相談できるのか。
面接を案内するなら、場所や持ち物、当日の連絡先はわかるかまで、伝えたほうがいいし

仕事なら仕事で、伝えた内容を、実際にできるのか?っていうのも伝えないといけない。

入口の言葉と、その先の体験をそろえることまでが、採用の仕事のひとつなのだと今回はきづいた。

人が求めているのは、その先にある時間

今回のレポートでは、商品やサービスを通じて、相手がどんな自分になりたいのかを考える視点も紹介されていました。

これを僕たちの店に置き換えると、どうでしょうか。

忘年会を予約する人は、料理と飲み物だけを求めてはいない。

参加した人に「楽しかったね」と言ってもらいたい。
久しぶりに集まった仲間と、気兼ねなく話したい。
ご幹事様として、無事に会を終えたい。

働く場所を探している人にも、給与や勤務時間とともに、気になることがある。

仕事を覚えられるだろうか。
わからないときに聞けるだろうか。
ここで働いて、自分は何ができるようになるのだろうか。

その人が大切にしたいことを、どこまで想像できるか。
そして、それに応える中身を、自分たちが持っているか。

うまい言葉を考える前に、ここを考えたい。

売上につなげるところまで、責任を持つ

「マインド・ハイジャック」。
人の感情や判断に、売り手がどう働きかけるかという話です。

それを、僕たちの現場でどう受け取るか。
そこは、よく考える必要がある。

僕が今回持ち帰りたいのは、相手の迷いや不安を、そのままにしないという姿勢。

おすすめするなら、理由も。
必要な条件は、先に説明する。
質問があれば答える。
合わなければ、断れる。

そのうえで、「ここにしてよかった」と思ってもらえる仕事をしたい。

売上は大切です。
売上があってこそ、仲間を増やし、教育に時間をかけ、店を続けていくことができる。

いいものをつくった、おすすめした、採用しただけで満足してはいけない。
お客さまに届き食べてもらうところまで、面接して1人前になるまで、いっしょに伴走していきたい。

まず、一つの案内から見直す

レポートの最後には、実行することの大切さが書かれていました。

読んで、なるほどと思った。
それだけでは、自分たちの仕事は変わりません。

まずは、一つの案内を読み返すところから始めたいと思います。

予約後の案内。
応募への返信。
新人に仕事をお願いするときの説明。

初めて見る人にとって、次にすることがわかるだろうか。
わからなくなったとき、聞ける相手が見えるだろうか。

スタッフ教育でも、「説明したよね」で終わる前に、相手がどこで迷っているのかを、一緒に確かめたい。

そして見直したら、その先まで進めるようになったかを確かめる。
説明し直すことが減ったか、同じ質問が繰り返されていないかも、手がかりになると思います。

伝えたつもりで、終わらせない。

お客さまにも、これから仲間になる人にも、今一緒に働いている仲間にも。
次の一歩が見える伝え方を、少しずつ増やしていきたいと思います。

参考:ダイレクト出版『No B.S.マーケティング・レポート』2026年10月号、誌面21〜27・28〜33・54〜55ページ。本記事の飲食店・採用・教育への応用は、同誌をもとに考えたものです。