こんにちは、セプテンマリアの代表、真部裕充です。

飲食店の清掃で同じ汚れが繰り返すなら、落とす作業に加えて、どこから生まれているのかも見たい。掃除する人の頑張りだけに頼らず、仕事の流れや道具、修繕まで含めて、きれいを保ちやすい店にしていきたいと思う。

たとえば、備品を補充する棚の下に、毎日小さな紙くずが落ちているとする。閉店後に拾って、掃いて、翌日にはまた落ちている。これは説明のための仮の場面だ。

担当した人は、きちんと掃除している。それなのに、毎回同じ場所に同じ仕事が残る。ここで「もっと丁寧にやろう」だけで話を終えていいのだろうか。

汚れを落とす仕事と、汚れが生まれる理由

目の前の汚れは、店で決めた手順できれいにする。そこを後回しにして、原因の話だけをしたいわけではない。

そのうえで、先ほどの棚をもう少し見てみる。何を補充するときに紙くずが出るのか。包みを開ける場所はどこか。出たものを捨てるまで、どんな動きをしているのか。

紙くずを落としても構わないと思っている人がいる、と決める前に、確かめられることがある。作業する場所と、片づける場所が離れているのかもしれない。途中で別の仕事に呼ばれ、そのまま残っているのかもしれない。

もちろん、見ていないうちから理由は決められない。だから、普段そこで働く人に聞き、実際の作業を見たい。汚れを見つけたときに、人の性格まで決めつけないことは、僕自身も気をつけたいと思う。

掃除の回数だけを増やさない

毎日汚れるなら、掃除を増やす。必要な場面はある。でも、その前に、汚れが広がりにくい仕事の仕方を考えられないだろうか。

たとえば、補充の途中に出る包みを、その作業の終わりに片づけるところまで一続きにする。置き場を変える案が出たら、ほかの作業や通路に影響しないか、責任者と確かめる。

これは、うちですでに実施して成果が出た改善の紹介ではない。考え方の例だ。どの店でも同じ置き方が正解になるわけではないし、衛生や安全の決まりを思いつきで変えることもできない。

大事なのは、清掃の項目を増やすことだけが改善になっていないか、ということだ。掃除する場所が増えたのに、時間も道具もそのまま。そんな頼み方をしていないか、会社の側からも見直したい。

「気づいた人がやる」で終わらせない

自分の担当以外でも、汚れに気づける。その姿勢はうれしい。お客さまから見れば、担当の境目で店が分かれているわけではないからだ。

ただ、いつも同じ人が拾っているなら、それも気になる。気づかない人を責める前に、どの仕事の後に何を戻すのかが、みんなに分かる状態かを確かめたい。

片づけるところまでが一つの仕事だと伝わっているか。教わっていない人はいないか。途中で引き継ぐ必要があるなら、何が残っているかを渡せているか。

誰かの親切で穴が埋まっていると、その穴が見えなくなる。助けてくれたことには感謝したい。そのうえで、その人が毎回助けなくても済むように、仕事の分け方を考える。両方が必要だと思う。

修繕と時間は、僕たちが考える仕事だ

汚れが戻ってくる理由は、作業の仕方だけとは限らない。拭いても整わない傷みや、使いにくい道具が関わることも考えられる。

そういうときまで「現場で工夫して」で押し返したくない。確認して修繕を考えること、必要な道具を検討すること、作業できる時間を組むこと。会社として判断する仕事がある。

すぐに全部を買い替える、という約束ではない。何が起きていて、何を先に直す必要があるのかを確かめる。その判断をしないまま、掃除する人の努力だけを求め続けないようにしたい。

以前の「1月度~メンバーへのメッセージ」でも、繁忙期の後に清掃や締め作業を整え直すことを書いた。あの記事は当時の呼びかけだが、慌ただしい時期の後に仕事を見直したいという思いは、今の店づくりにもつながっている。

繰り返す一か所から、仕事を見直す

僕は、お客さまに気持ちよく過ごしてもらい、働く仲間も成長できる場所をつくりたい。清掃も、その思いと離れた雑用ではない。

ただ手を動かすだけでなく、どうしてここが汚れるのかを考える。いつもの仕事を見直し、自分たちで店を良くする。その経験も、現場で学べることの一つだと思う。

次に同じ場所を掃除するとき、汚れを落とした後に、何の作業で生まれたのかを一つ確かめてみてほしい。自分では分からなければ、そこを使う仲間と話してみる。

僕も、きれいになった結果だけで安心せず、それを保つために誰がどんな手間をかけているかを見ていたい。毎日戻ってくる小さな汚れには、仕事を変える手がかりがあるかもしれない。

掃除を頑張ってくれる人に、ずっと同じ苦労を残さない。そんな目で、店をもう一度見ていこう。

関連記事:1月度~メンバーへのメッセージ。清掃や締め作業を整え直すことについて書いた、2020年1月の記録です。