こんにちは、セプテンマリアの代表、真部裕充です。
仕込みを教えるときは、作業の順番と一緒に、どこまでできたら次の人に渡せるのかを伝えたい。終わりの状態を先に見せておくと、教わる人も、あとから受け取る人も、同じところを確認できる。
「終わりました」のあとに、まだ仕事が残っていたら
たとえば、開店前に「取り皿の準備をお願い」と頼んだとする。頼まれた人は、洗い終わった皿を数えて、作業台に重ねた。本人からすると、頼まれた仕事は終わっている。
一方、営業に入る人は、取り皿が使う場所に分けて置いてあるつもりで動く。開店してから作業台まで取りに戻る。そこではじめて、準備が終わったと思っていた人と、まだ途中だと思っていた人がいることがわかる。
僕なら、そこで「最後までやって」と言う前に、頼む側がどこまで伝えていたかを考えたい。「取り皿の準備」の一言には、数をそろえる、置き場へ運ぶ、不足があれば伝える、といった仕事がいくつも入っている。慣れた人は、その先まで頭に浮かぶ。初めて頼まれた人にも同じ景色が見えているとは限らない。
手順の前に、できあがった状態を一緒に見る
教えるとき、最初から細かい説明を全部する必要はないと思う。取り皿なら、まず営業中に使う置き場まで一緒に行く。「ここで手に取れる状態になったら完了。足りなければ、残りが何枚か教えて」と伝える。そこから、必要な枚数や運び方を説明する。
同じ考え方は、厨房でも使える。たとえば、食材を用意する仕事なら、切り方や分量に加えて、店の決まりに沿って何を表示し、どこへ戻すかまで確認する。営業中にその食材を使う人が、探したり聞き直したりせず、決められた手順で使えるところまでが引き渡しだ。
完成した状態が見えると、途中で迷ったときの問いも変わる。「これでいいですか?」に加えて、「ここまではできましたが、この分が足りません」と言える。教える側も、どこまで理解できていて、次に何を伝えればいいのかがわかる。
教えた人と、使う人の両方から確かめる
教え方が伝わったかを知りたいとき、僕ならまず一つの作業を任せて、終わりを一緒に見たい。「何を見て完了だと思った?」と聞くと、教えたつもりでも共有できていなかった部分が見えてくる。
もう一つ聞きたいのは、実際に営業で受け取った人の話だ。皿がそろっていても置き場が使いづらければ、作業を頼んだ人だけでは気づかないかもしれない。逆に、営業中に迷わず使えたなら、どんな準備が助かったかを伝えられる。そこで初めて、仕込みをした人にも、自分の仕事がその先でどう役に立ったのかが見える。
忙しい日に毎回長く振り返るのは難しい。だからこそ、引き渡しで迷いが出た仕事を一つだけ選び、「どこに、どんな状態であれば次の人が使えるか」をそろえてみてほしい。次に誰かへお願いするとき、その人と置き場まで行って、できあがりを先に見せる。僕は、そういう小さなところから、現場で学んだことを次の営業に生かしていきたい。





