こんにちは、セプテンマリアの代表、真部裕充です。
飲食店の朝礼では、その日に起こりそうな場面を一つ取り上げ、最初に誰が何をするかまで合わせておきたい。予定を読み上げたあと、実際にその場に立つ人が自分の動きを言葉にできれば、営業が始まる前に迷いを見つけられる。
予定がわかっていても、最初の動きは人によって違う
たとえば、開店直後に予約のお客さまが到着し、同じタイミングで別のお客さまが入口に来るとする。開店前に予約時刻を共有していたとしても、入口に立つ人と、客席を整える人の頭の中で、最初の動きがそろっているとは限らない。
入口へ向かおうとした二人が、同時に持ち場を離れることもある。反対に、どちらも相手が行くと思って、そのままになることもある。予約時刻の読み上げは済んでいる。それでも、「重なったときはどう動くか」という話は残っている。
僕は、朝礼でそこまで話したい。すべての場面に答えを用意するのは難しい。まず、その日ありそうな一場面だけ選んでみる。
「もし重なったら?」を一度やってみる
たとえば、「開店直後に二組が重なったら」と声をかける。入口を担当する人は最初にお客さまへ声をかける。客席を整えている人は、案内できる状態かを確かめる。そこで入口担当が別の対応中なら、誰が代わるかも一言だけ合わせる。
ここで僕が聞きたいのは、「わかった?」よりも「そのとき最初に何をする?」だ。新人が答えに迷ったら、入口から客席まで一度歩いてみる。教える側も、普段は見えているつもりの景色を、相手の立つ場所から確かめられる。
実際に歩く時間が取れない日なら、立ち位置を指さして確認するだけでもいい。朝礼で立派な答えを発表することより、開店したときに一歩目が出ることを大切にしたい。
答えが出なければ、仕事の重なりを見直す
もし「入口に行くと、いま受け持っているお客さまへの対応が止まる」と声が上がったら、そこで初めて見えることがある。担当者は誰かと決めただけでは、同時に二つの仕事が来ることまで解決できていない。
その場合は、予約時刻の前に終えておける準備があるか、短い時間だけ役割を入れ替えられるか、責任者がどちらを引き受けられるかを考える。現場の人が困ると口にできた時点で、朝礼には意味がある。営業中になって初めて「どうしよう」となる前に、仕事の組み方を見直せるからだ。
僕が外食を選んだ理由の一つに、仲間と一緒につくった時間を、お客さまと分かち合いたいという思いがある。朝礼も、その時間をつくる準備だと思っている。伝えることがたくさんある日でも、最後に一つだけ、「今日、この場面が来たらどう動こうか」と聞いてみてほしい。
営業の中で仕事をつなぐ声のかけ方は、「飲食店のチームワーク。『声をかけた』で終わらせない。」にも書いている。


